司法試験短答式試験過去問題一問一答

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令和6年 刑法

第16問 (配点: 2)


学生A及びBは、次の【事例】に関して、後記【会話】のとおり議論している。学生A及びBが後記【会話】の後も議論を続けた場合、後記1から5までの各【発言】のうち、学生Aの発言であると考えられるものを選びなさい。

【事例】

甲は、酒の力を借りて妻Vを殺害しようと決意し、心神喪失状態に陥る可能性があることを認識しながら、自宅において手元に包丁を用意して大量に飲酒し、その結果、心神喪失状態に陥り、計画どおり同包丁でVを刺突して殺害した。

【会話】

学生A.私は、【事例】について飲酒行為を実行行為と捉え、甲に殺人罪が成立し、完全な刑事責任を問うことができると考えます。

学生B.私も、【事例】の甲に殺人罪が成立し、完全な刑事責任を問うことができると考えますが、Aさんの見解とは異なり、刺突行為を実行行為と捉えます。

【発言】

1.あなたの見解によると、結果発生の危険との関連性が希薄な行為を実行行為と捉えることになってしまいませんか。

2.私は、実行行為が完全な責任能力のある原因行為時における意思決定の実現であるといえれば、完全な刑事責任を問うことは可能であると考え、実行行為の時点で責任能力が存在することは必要ないと考えます。

3.あなたの見解は、【事例】の甲は責任能力のない自己を道具のように利用して殺人を実行したと考えるのですね。

4.あなたの見解によると、仮に【事例】の甲が飲酒して眠り込んでしまい、刺突行為を全く行わなかったとしても、殺人未遂罪が成立し得ることになりますが、それは不当ではないですか。

5.私の見解によれば、実行行為の時点で責任能力が存在しなければならないとしつつ、【事例】の甲の可罰性を説明できます。

「令和6年 短答式試験 刑法」(法務省)(https://www.moj.go.jp/content/001421189.pdf)をもとに作成

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