司法試験短答式試験過去問題一問一答

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令和6年 刑法

第17問 (配点: 2)


刑法第109条第2項及び同法第110条の「公共の危険」に関して、学生A及びBが次の【会話】のとおり議論している。【会話】中の①から⑦までの( )内から適切なものを選んだ場合、正しいものの組合せは、後記1から5までのうちどれか。

【会話】

学生A.刑法第109条第2項及び同法第110条の「公共の危険」の内容について、どう考えますか。

学生B.私は、「公共の危険」は、①(a.刑法第108条又は同法第109条第1項に定める物件への延焼の危険・b.刑法第108条又は同法第109条第1項に定める物件への延焼の危険に限らず、不特定又は多数の人の生命、身体又は財産に対する危険)をいうと考えます。このように考えれば、刑法第111条第1項が、同法第109条第2項及び同法第110条第2項の結果的加重犯として同法第108条又は同法第109条第1項に定める物件への延焼を処罰していることと符合すると考えます。

学生A.この点についてのBさんの考えは、判例と同じですか。

学生B.私は、判例に②(c.賛成・d.反対)する立場です。ところで、Aさんは、「公共の危険」の認識が必要かどうかは、どう考えますか。

学生A.私は、刑法第109条第2項の「公共の危険」の発生を③(e.構成要件的状況・f.客観的処罰条件)と解し、同法第110条の「公共の危険」の発生を④(g.違法性を基礎付ける要素・h.結果的加重犯の加重的結果)と解しますので、「公共の危険」の認識を⑤(i.必要・j.不要)と考えます。

学生B.そうでしょうか。私は、自己所有物の焼損は本来違法行為ではなく、「公共の危険」の発生によって初めて犯罪となると考えるので、Aさんの見解に反対です。それに、Aさんの見解では、⑥(k.「公共の危険」の認識と、刑法第108条又は同法第109条第1項に定める物件への延焼の危険の認識との区別が困難となる・l.刑法第110条第1項の客体の焼損の認識のみでは器物損壊罪の責任しか基礎付けられない)のではありませんか。この点、判例はどのような立場を採っていますか。

学生A.判例は、刑法第110条第1項の「公共の危険」の認識を⑦(m.必要・n.不要)としていますね。

1.①a ②d ⑤j ⑥l
2.①b ③e ④g ⑥k
3.②c ④h ⑤j ⑦m
4.②d ③f ⑥k ⑦n
5.③f ④h ⑤j ⑦m

「令和6年 短答式試験 刑法」(法務省)(https://www.moj.go.jp/content/001421189.pdf)をもとに作成

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