わいせつの罪に関する次の1から5までの各記述を判例の立場に従って検討した場合,誤っているものはどれか。
1.甲は,人通りの多い駅構内において,自己の性器を露出させたが,実際には,それに気付いた人はいなかった。この場合,甲には公然わいせつ罪は成立しない。
2.甲は,日本国外で販売する目的で,日本国内において,わいせつな映像が録画されたDVDを所持した。この場合,甲にはわいせつ物有償頒布目的所持罪は成立しない。
3.甲は,友人乙からの土産に対するお礼として,わいせつな映像が録画されたDVD1枚を乙にプレゼントした。この場合,甲にはわいせつ物頒布罪は成立しない。
4.甲は,不特定多数の通行人を勧誘して5名の客を集めた上,自宅であるマンションの一室において,外部との出入りを完全に遮断した状態で,わいせつな映像が録画されたDVDを再生し,その5名の客に有料で見せた。この場合,甲にはわいせつ物公然陳列罪が成立する。
5.甲は,海水浴場において,不特定多数の者の面前で,乙女の衣服を全てはぎ取るなどして強いてわいせつな行為をした。この場合,甲には,強制わいせつ罪が成立するのみならず,公然わいせつ罪も成立する。
「平成28年 短答式試験 刑法」(法務省)(https://www.moj.go.jp/content/001182605.pdf)をもとに作成