【以下の問題の解答に当たっては,国際物品売買契約に関する国際連合条約(ウィーン売買条約)の適用を考慮する必要はない。】
錯誤に関する次のアからオまでの各記述のうち,判例の趣旨に照らし正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。
ア.法律行為の要素に錯誤が生じ,その錯誤により意思表示をした場合であっても,その意思表示の時から20年が経過すれば,表意者は,錯誤による意思表示の無効を主張することができない。
イ.相手方の詐欺により法律行為の要素に錯誤が生じ,その錯誤により意思表示をした場合であっても,表意者は,錯誤による意思表示の無効を主張することができる。
ウ.Aを売主,Bを買主とする売買契約に基づく商品の売買代金をCが立替払する旨の契約がBC間で締結され,BのCに対する立替金償還債務をDが連帯保証した場合において,Dが,CD間の連帯保証契約締結当時,実際にはAB間の売買契約が存在しないことを知らなかったときは,Dは,CD間の連帯保証契約について錯誤による無効を主張することができる。
エ.他にも連帯保証人となる者がいるとの債務者の説明を信じて連帯保証人となった者は,特にその旨が表示され連帯保証契約の内容とされていたとしても,連帯保証契約について錯誤による無効を主張することができない。
オ.Aの所有する甲土地の売買契約が,Bを売主,Cを買主として成立した場合において,Cは,BC間の売買契約締結当時,甲土地がBの所有するものでなければ売買をしない旨の意思表示をしたとしても,BC間の売買契約について錯誤による無効を主張することができない。
1.ア ウ
2.ア オ
3.イ ウ
4.イ エ
5.エ オ
「平成28年 短答式試験 民法」(法務省)(https://www.moj.go.jp/content/001182604.pdf)をもとに作成