司法試験短答式試験過去問題一問一答

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平成26年 刑事系科目

第31問 (配点: 3)


弁護人の活動等に関する次の【事例】について述べた後記アからオまでの【記述】のうち,誤っているものの組合せは,後記1から5までのうちどれか。

【事例】

勾留中の被告人甲は,傷害の公訴事実により,H地方裁判所に起訴されるとともに,H地方裁判所裁判官から接見禁止の裁判を受けた。①その後,被告人甲の弁護人に選任されたAは,H拘置所において,被告人甲と接見し,正当防衛の主張をする弁護方針を立てた

本件傷害被告事件は,公判前整理手続に付されたところ,この公判前整理手続の中で,検察官は,検察官が目撃者Wの供述を録取した供述録取書1通[供述録取書ア]の取調べを請求し,弁護人Aにも開示したが,警察官が目撃者Wの供述を録取した供述録取書1通[供述録取書イ]については,その取調べを請求することもなく,弁護人Aにも開示しなかった。そこで,②弁護人Aは,検察官に対し,刑事訴訟法第316条の15に基づき,[供述録取書ア]の証明力を判断するために重要な証拠として,[供述録取書イ]の開示を請求した。また,③弁護人Aは,公判前整理手続の中で,刑事訴訟法第316条の17に基づき,裁判所及び検察官に対し,正当防衛の主張等証明予定事実その他公判期日においてすることを予定している事実上及び法律上の主張を明らかにした

その後,公判前整理手続が終了して第1回公判期日が開かれたところ,④検察官は,同公判において,冒頭陳述を行った。また,同公判において,目撃者Wの証人尋問が実施された後,検察官は,刑事訴訟法第321条第1項第2号後段に基づき,[供述録取書ア]の取調べを請求したところ,⑤裁判所は,弁護人Aの意見を聴いた上で,[供述録取書ア]の取調べを決定した

その後,本件傷害被告事件は,第2回公判期日において結審し,第3回公判期日において,被告人甲は,有罪判決を受けたが,その時点で控訴するかどうか態度を明らかにしなかった。⑥その翌日,被告人甲は,弁護人Aに対して,前記有罪判決に対して控訴してもらいたい旨の手紙を発送した

【記述】

ア.下線部①の接見は,接見禁止の裁判を受けた被告人に対する接見であるので,立会人が付いた接見である。

イ.弁護人Aは,下線部②の請求を行うに際し,あらかじめ,下線部③に記載された主張を明らかにする必要はない。

ウ.弁護人A又は被告人甲は,下線部④の冒頭陳述に引き続き,正当防衛の主張を明らかにしなければならない。

エ.弁護人Aは,下線部⑤の決定については,これに先立ち裁判所から意見を聴かれているものの異議を申し立てることができる。

オ.弁護人Aは,下線部⑥の手紙を受領する以前に,控訴することができない。

1.ア イ
2.ア オ
3.イ ウ
4.ウ エ
5.エ オ

「平成26年 短答式試験 刑事系科目」(法務省)(https://www.moj.go.jp/content/000123126.pdf)をもとに作成

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