私文書の成立に関する次のアからオまでの各記述のうち,正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。なお,各記述におけるAはいずれも被告であり,かつ,私人であるとする。
ア.A名義で事件の経過を記載した報告書は,Aの意思に基づいて作成されたことが認められれば,その内容が真実であると推定される。
イ.作成者をAとして提出されたが,Aの署名も押印もない文書につき,裁判所は,他の証拠を併せて考慮することにより,その文書がAの意思に基づいて作成されたと認定することができる。
ウ.作成者をAとして提出された借用証書につき,Aが借主欄に署名したことは認められるが,署名後に金額欄の記載が改ざんされたとAが主張する場合には,当該借用証書は,真正に成立したものと推定されない。
エ.判例の趣旨によれば,Aの氏名が記された印影が私文書中に顕出されている場合には,その文書は,Aを作成者として真正に成立したものと推定される。
オ.作成者をAとして提出された文書にAの署名がある場合には,押印がないときであっても,その文書は,真正に成立したものと推定される。
1.ア ウ
2.ア エ
3.イ ウ
4.イ オ
5.エ オ
「平成25年 短答式試験 民事系科目」(法務省)(https://www.moj.go.jp/content/000111055.pdf)をもとに作成