司法試験短答式試験過去問題一問一答

利用規約プライバシーポリシーご意見・お問い合わせランダム一問一答

平成24年 刑事系科目

第23問 (配点: 2)


捜査機関が行う写真等の撮影に関する次のアからオまでの各記述のうち,正しいものの組合せは,後記1から5までのうちどれか。ただし,判例がある場合には,それに照らして考えるものとする。

ア.何人もみだりにその容貌・姿態を撮影されない自由を有しているから,公道を歩行中の人に対する警察官による容貌等の写真撮影は,撮影される本人の同意がなく,また裁判官の令状がない場合には,現に犯罪が行われ若しくは行われた後間がないと認められる場合であって,証拠保全の必要性及び緊急性があり,その撮影が一般的に許容される限度を超えない相当な方法をもって行われるとき以外は許されない。

イ.身体の拘束を受けている被疑者は,既に身体の拘束という強制処分を受けている以上,ある程度の処分は別個の令状なくして許されるから,身体検査令状の発付を受けることなく,被疑者を全裸にしてその身体を写真撮影することができる。

ウ.捜査機関が,捜査の必要のため,宅配便業者の了解を得て,その運送過程下にある宅配便荷物を借り受けた上,荷送人や荷受人の承諾を得ることなく,これに外部からエックス線を照射して内容物の射影を撮影する行為は,宅配便荷物の外部から照射したエックス線の射影により内容物の形状や材質をうかがい知ることができるにとどまるから,プライバシー等の侵害の程度が大きいとはいえない上,占有者である宅配便業者の承諾を得て行っているものであるから,検査対象を不審な宅配便荷物に限定して行う場合には,任意捜査として許容される。

エ.捜査官が被疑者に犯行状況を再現させた結果を記録した実況見分調書で,立証趣旨を「犯行状況」とする書面の写真部分については,弁護人が証拠とすることについて同意しなかった場合であっても,刑事訴訟法第321条第3項所定の要件のほか,同法第322条第1項所定の要件を満たせば証拠能力が認められる。

オ.捜査機関は,捜索差押許可状による捜索差押えの際に,捜索差押えに付随する処分として,捜索差押許可状を立会人に示している状況や,捜索の現場で差し押さえるべき物が発見された状況を写真撮影することができる。

1.ア イ
2.ア ウ
3.イ エ
4.ウ オ
5.エ オ

「平成24年 短答式試験 刑事系科目」(法務省)(https://www.moj.go.jp/content/000098334.pdf)をもとに作成

平成24年 刑事系科目 第23問 (配点: 2) | 司法試験短答式試験過去問題一問一答
このエントリーをはてなブックマークに追加
46 / 67