法律上の要件としての善意又は悪意に関する次の1から5までの各記述のうち,誤っているものはどれか。
1.相続開始の1年前の日より前にされた贈与は,それがされた当時に当事者双方が遺留分権利者に損害を加えることを知っていたとき,その価額が遺留分算定の基礎となる財産の価額に算入される。
2.Aが所有する不動産をBが占有する場合において,Bが,10年間の占有を継続したことを理由として,この不動産の所有権を時効により取得するためには,Bは,占有を開始した時に善意無過失であればよく,その後にBが悪意になっても,Bの時効取得の成否に影響しない。
3.善意の占有者が本権の訴えにおいて敗訴したときは,その訴え提起の時から悪意の占有者とみなされる。
4.判例によれば,Aが所有する不動産を7年間継続して占有したBから,この不動産を買い受けて引渡しを受けたCが更に4年間継続して占有する場合において,Cが,10年間の占有を継続したことを理由として,この不動産の所有権を時効により取得するためには,Bが占有を開始した時に善意であれば,Cの占有開始時にCが善意である必要はない。
5.Aに対する債権者Bが,AからCへの不動産の贈与を詐害行為を理由に転得者Dを被告として取り消す場合,その請求が認められるためには,その贈与がBを害することを,AC間の贈与の当時,Dが知っていたことが必要である。
「平成24年 短答式試験 民事系科目」(法務省)(https://www.moj.go.jp/content/000098333.pdf)をもとに作成