司法試験短答式試験過去問題一問一答

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平成23年 刑事系科目

第6問 (配点: 2)


罪数に関する次の1から5までの各記述を判例の立場に従って検討した場合,正しいものはどれか。

1.甲は,夜間,車道上にロープを張って,車道を閉塞したところ,自動二輪車を運転して同所を通り掛かった乙がこれに気付かないまま同ロープに引っ掛かり,転倒して負傷した。この場合,甲に乙が負傷をすることについて故意があれば,甲には往来妨害罪と傷害罪が成立し,両罪は牽連犯となる。

2.甲は,乙を殺害する目的で乙方に侵入し,屋内にいた乙を殺害した上,たまたま屋内に居合わせた丙及び丁も殺害した。この場合,甲には,住居侵入罪並びに乙,丙及び丁に対する殺人罪が成立し,住居侵入罪と乙に対する殺人罪が牽連犯として一罪となり,丙及び丁に対する殺人罪と併合罪になる。

3.甲は,眼鏡を掛けた乙の顔面を,眼鏡の上から拳で殴打し,眼鏡を損壊するとともに,乙に全治1週間を要する顔面打撲の傷害を負わせた。この場合,甲には傷害罪と器物損壊罪が成立し,両罪は併合罪となる。

4.甲は,真実は,自己の経営する会社の運転資金に使う目的で,質権を設定するつもりもないのに,乙に対して,「2000万円をA銀行の甲名義預金口座に振り込んでほしい。振り込まれた2000万円については,見せ金として使用するので,口座から引き出さないし,振込み後,質権も設定する。」などと嘘を言い,これを信じた乙は,A銀行の甲名義預金口座に2000万円を振り込んだ。その数日後,甲は,同預金に関するA銀行名義の質権設定承諾書1通を偽造し,乙に交付した。この場合,甲には詐欺罪,有印私文書偽造及び同行使罪が成立し,これらは牽連犯として一罪となる。

5.甲は,乙を監禁した上で現金を恐喝しようと企て,乙をマンションの一室に監禁し,暴行・脅迫を加えて現金を脅し取った。この場合,甲には監禁罪と恐喝罪が成立し,両罪は併合罪となる。

「平成23年 短答式試験 刑事系科目」(法務省)(https://www.moj.go.jp/content/000073971.pdf)をもとに作成

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