司法試験短答式試験過去問題一問一答

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平成23年 刑事系科目

第5問 (配点: 3) 備考: 順不同(部分点なし)


次の1から5までの各事例における甲の罪責について,判例の立場に従って検討し,甲に危険運転致傷罪が成立するものを2個選びなさい。

1.甲は,自動車を運転中,前方の交差点に設置された対面信号機が赤色表示に変わったのに気付かず,時速約50キロメートルで同交差点に進入したところ,歩行者用信号機の青色表示に従って前方の横断歩道上を歩行していた乙に自車を衝突させ,乙に傷害を負わせた。

2.甲は,乙を助手席に同乗させて雨の降る山道を自動車で走行中,指定最高速度が時速40キロメートルであることや,降雨のため路面が滑りやすい状況であることを認識しつつも,対向車もなかったので事故を起こすことはないだろうと思い,時速約100キロメートルの速度で急カーブに進入したところ,後輪が滑走したために同カーブを曲がりきれず,自車を道路脇の樹木に衝突させ,乙に傷害を負わせた。

3.甲は,飲酒の影響で歩行が困難な状態であることを認識しながら自動車の運転を開始し,運転開始後も自車が激しく蛇行していることを認識しながらも,運転技術に自信があったので,事故を起こすことはないだろうと思い運転を継続したところ,飲酒の影響により,自車を蛇行させて,道路の右脇を歩行していた乙に衝突させ,乙に傷害を負わせた。

4.甲は,交通違反を繰り返して自動車運転免許の取消処分を受けていたものの,自動車の運転経験が長く運転技術に自信があったので,事故を起こすことはないだろうと思って自動車の運転を始めたが,運転中脇見をしてハンドル操作を誤り,自車を対向車線に進出させて乙運転の対向車と衝突させ,乙に傷害を負わせた。

5.甲は,片側1車線の道路を自動車を運転して進行中,時速約50キロメートルで走行する乙運転の先行車を追い越すに当たり,対向車両が接近しており,追越しを完了させるには乙車の直前に進入する必要があったので,同車の通行を妨害することになるかもしれないと思いつつ,対向車線に自車を進出させて追越しを開始し,乙車の直前に自車を進入させたところ,乙が驚いてハンドルを左に切り,乙車をガードレールに衝突させ,乙に傷害を負わせた。

「平成23年 短答式試験 刑事系科目」(法務省)(https://www.moj.go.jp/content/000073971.pdf)をもとに作成

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