司法試験短答式試験過去問題一問一答

利用規約プライバシーポリシーご意見・お問い合わせランダム一問一答

平成22年 公法系科目

第14問 (配点: 2)


下記文章は,参議院議員選挙における議員定数配分規定の違憲性について,次の①ないし③を含む最高裁判所の判決の流れを述べたものである。文中における(ア)から(ウ)までの各記述(それぞれ下線部分)について,正しいものには○,誤っているものには×を付した場合の組合せを,後記1から8までの中から選びなさい。

①昭和58年4月27日大法廷判決,民集37巻3号345頁(最大較差 1対5.26倍)
②平成8年9月11日大法廷判決,民集50巻8号2283頁(最大較差 1対6.59倍)
③平成21年9月30日大法廷判決,民集63巻7号1520頁(最大較差 1対4.86倍)

①は,憲法が投票価値の平等を要求しているとし,投票価値の著しい不平等状態が生じ,かつ,それが相当期間継続しているにもかかわらず,是正措置を講じないことが国会の裁量権の限界を超えていると判断される場合には違憲となると判示した。その上で,(ア)①は,地方選出議員の地方代表的性格は否定したが,半数改選制,参議院に解散を認めない二院制の本旨といった参議院議員選挙の特殊性を重視して,合憲とした。

その後,平成4年7月施行の参議院議員選挙において最大較差が1対6.59倍に及ぶに至り,(イ)②は,違憲の問題が生じる程度の著しい不平等状態が生じているとしたが,是正のための合理的期間は徒過していないとして,合憲とした。

この②判決の後に施行された選挙は,最大較差が1対5倍前後であり,最高裁判所は著しい不平等状態が生じているという判断をしてこなかったが,較差是正のため国会における不断の努力が求められるなどの指摘がされてきた。

それらの判決の流れを受け,(ウ)③は,結論的には合憲としつつも,投票価値平等の観点からは大きな不平等が存し較差の縮小を図ることが求められること,そのためには現行の選挙制度の仕組み自体の見直しが必要となり,国会において速やかに適切な検討が行われることが望まれると判示した。

1.ア○ イ○ ウ○
2.ア○ イ○ ウ×
3.ア○ イ× ウ○
4.ア○ イ× ウ×
5.ア× イ○ ウ○
6.ア× イ○ ウ×
7.ア× イ× ウ○
8.ア× イ× ウ×

「平成22年 短答式試験 公法系科目」(法務省)(https://www.moj.go.jp/content/000046901.pdf)をもとに作成

平成22年 公法系科目 第14問 (配点: 2) | 司法試験短答式試験過去問題一問一答
このエントリーをはてなブックマークに追加
26 / 89