財産権の制限に関する①及び②の最高裁判所の判決に関する次のアからウまでの各記述について,正しいものには○,誤っているものには×を付した場合の組合せを,後記1から8までの中から選びなさい。
① 共有森林分割制限を定める森林法の規定を違憲であると判断した判決(最高裁判所昭和62年4月22日大法廷判決,民集41巻3号408頁)
② 上場会社等の役員又は主要株主による当該会社の株式等に係る短期売買利益返還義務を定める証券取引法(現行金融商品取引法)の規定を合憲であると判断した判決(最高裁判所平成14年2月13日大法廷判決,民集56巻2号331頁)
ア.①及び②の判決は,財産権に対して加えられる規制が憲法第29条第2項に適合するものであるかどうかは,規制の目的,必要性,内容,その規制によって制限される財産権の種類,性質及び制限の程度等を比較衡量して判断すべきであるとする点で共通する。
イ.②の判決は,財産権に対する規制には積極的目的によるものと消極的目的によるものとがあることを明示した上,積極的目的による規制の合憲性をより緩やかに認める考え方を明確にしたものである点で,①の判決と異なる。
ウ.①及び②の判決は,いずれも,財産権に規制を加える立法について規制目的の正当性は認めている。その上で,規制手段の必要性及び合理性に関して,①の判決はこれが認められないと判断したのに対し,②の判決はこれが認められると判断したものである。
1.ア○ イ○ ウ○
2.ア○ イ○ ウ×
3.ア○ イ× ウ○
4.ア○ イ× ウ×
5.ア× イ○ ウ○
6.ア× イ○ ウ×
7.ア× イ× ウ○
8.ア× イ× ウ×
「平成22年 短答式試験 公法系科目」(法務省)(https://www.moj.go.jp/content/000046901.pdf)をもとに作成