刑事手続の各段階における前科の扱いに関する次のアからオまでの各記述のうち,正しいものの組合せは,後記1から5までのうちどれか。ただし,判例がある場合には,それに照らして考えるものとする。
ア.常習累犯窃盗罪のように前科が構成要件の一部を構成している場合や,常習賭博罪のように構成要件としての常習性を認定する場合でなければ,被告人の同種前科をもって,犯罪事実を立証することは許されない。
イ.累犯加重の理由となる前科については,適法な証拠調べをした証拠によらなければ認定することはできない。
ウ.勾留中の被告人について保釈の請求があった場合,その許否を決するに当たっては,勾留状に記載された事実以外の犯罪事実を考慮してはならず,被告人の前科を考慮することは許されない。
エ.起訴状には,裁判官に事件につき予断を生ぜしめるおそれのある内容を引用してはならないから,常習累犯窃盗罪のように前科が構成要件の一部を構成している場合でなければ,起訴状に被告人の前科を記載することは許されない。
オ.検察官は,執行猶予中の被疑者が再度その前科と同種の犯罪に及んだ場合であっても,犯罪の軽重及び情状等を考慮して,公訴を提起しないことができる。
1.ア イ
2.ア ウ
3.イ オ
4.ウ エ
5.エ オ
「平成22年 短答式試験 刑事系科目」(法務省)(https://www.moj.go.jp/content/000046903.pdf)をもとに作成