次の【事例】に関する後記アからカまでの【記述】のうち,誤っているものの組合せは,後記1から6までのうちどれか。
【事例】
司法警察員Xは,被疑者甲に係る大麻取締法違反(大麻所持)被疑事件に関し,被疑者甲が一人で居住するアパートの居室を捜索すべき場所とし,大麻及び大麻吸引具を差し押さえるべき物とする捜索差押許可状に基づき,その居室を捜索した。その際,被疑者甲は,その居室にいた。司法警察員Xは,その捜索において,大麻及び大麻吸引具を発見することができなかったが,ポーチに入った覚せい剤様の白色結晶や,血液の混じったような液体が入った注射器を発見した。そのため,司法警察員Xは,(①)前記白色結晶につき,覚せい剤の予試験を実施したところ,覚せい剤であるとの試験結果が得られた。そこで,司法警察員Xは,(②)被疑者甲を覚せい剤取締法違反の被疑事実で逮捕し,(③)前記白色結晶を押収するとともに,(④)前記ポーチ及び前記注射器を押収した。また,司法警察員Xは,(⑤)被疑者甲が任意に尿を提出したので,これを押収した。さらに,司法警察員Xは,採血を拒否した被疑者甲の血液型を明らかにするため,被疑者甲をH病院に連れて行き,(⑥)H病院の医師Yをして,被疑者甲の採血をさせた。
【記述】
ア.下線部①について,被疑者甲が予試験の実施に同意をしていれば,司法警察員Xは,裁判官による令状の発付を受けなくても,覚せい剤の予試験を実施できる。
イ.下線部②について,被疑者を逮捕するに当たり,司法警察員Xは,裁判官による令状の発付を受ける必要がない。
ウ.下線部③について,白色結晶を押収するに当たり,司法警察員Xは,裁判官による令状の発付を受ける必要がない。
エ.下線部④について,ポーチ及び注射器を押収するに当たり,司法警察員Xは,裁判官による令状の発付を受ける必要がある。
オ.下線部⑤について,被疑者甲が任意に尿を提出しなかった場合でも,司法警察員Xは,捜索差押許可状の発付を受けて,医師をして被疑者甲から強制的に採尿をさせることができる。
カ.下線部⑥について,医師Yをして被疑者甲の採血をさせるには,司法警察員Xは,裁判官による令状の発付を受けなくても,医師Yに鑑定嘱託をして,被疑者甲の採血をさせることができる。
1.ア イ
2.ア ウ
3.イ オ
4.ウ カ
5.エ オ
6.エ カ
「平成22年 短答式試験 刑事系科目」(法務省)(https://www.moj.go.jp/content/000046903.pdf)をもとに作成