責任能力に関する次の1から5までの各記述のうち,正しいものはどれか。
1.責任能力の有無・程度は,行為者の犯行当時の精神状態だけではなく,行為者の犯行前の生活状況,犯行の動機・態様等のほか,被害者やその遺族の処罰感情も含む諸事情を総合的に考慮して判断される。
2.相手を包丁で突き刺した時点では行為者に責任能力が存在するが,その相手が死亡した時点では責任能力が存在しない場合,行為者に死亡の結果について刑事責任を問うことはできない。
3.13歳の少年であっても,故意の犯罪行為により被害者を死亡させた場合においては,事件の重大性等の諸般の事情を考慮し,刑罰が科されることがある。
4.アルコールの影響により正常な運転が困難な状態で自動車を走行させて人を負傷させた危険運転致傷事件の行為者については,この類型の危険運転致傷罪が運転者の飲酒酩酊を前提としているにもかかわらず,責任能力が否定されることがある。
5.犯行当時の行為者が,心神喪失状態にあった場合は処罰されないが,心神耗弱状態にあった場合は必ずその刑が減軽又は免除される。
「平成22年 短答式試験 刑事系科目」(法務省)(https://www.moj.go.jp/content/000046903.pdf)をもとに作成