責任能力に関する次の1から5までの各記述を判例の立場に従って検討した場合,正しいものはどれか。
1.行為者が,事物の是非善悪を弁識する能力が減退した状態で罪を犯した場合であっても,心神耗弱者と認められるとは限らない。
2.責任能力の有無は,精神医学・心理学等の専門的見地から判断されるものであるから,裁判所は,これらの専門家の意見に拘束される。
3.精神に障害のない者は,心神喪失者とは認められないが,心神耗弱者と認められる場合はある。
4.心神喪失とは,刑事責任を負い得る能力が継続的に欠けている状態のことであるから,一時的な精神の障害があるにすぎない場合には心神喪失とはならない。
5.行為者が,事物の是非善悪を弁識する能力又はそれに従って行動を制御する能力のいずれか一方を欠いただけでは,心神喪失とはならない。
「平成21年 短答式試験 刑事系科目」(法務省)(https://www.moj.go.jp/content/000006453.pdf)をもとに作成