次の1から5までの各事例を判例の立場に従って検討した場合,甲に刑法上の犯罪が成立しないものはどれか。
1.甲は,勤務先の会社内において,同僚乙の同意の下,乙と上司丙を名指しして,両名が不倫関係にあった旨虚偽の事実を記載した文書を,同社の従業員多数の目に触れる掲示板に掲示した。
2.甲は,乙の同意の下,乙が甲の自動車を盗んだ旨の虚偽の事実を警察官丙に申告し,乙の処罰を求めた。
3.甲は,乙の同意の下,乙から借り受けた乙所有のコピー機を丙に転貸していたが,同コピー機の修理のため一時これを丙から預かった際,乙の同意の下,丙に無断で,自己の借金の返済として同コピー機を自己の債権者に譲渡した。
4.甲は,乙の同意の下,乙が丙に賃貸した乙所有の自動車に放火してこれを燃やしたが,公共の危険は生じなかった。
5.甲は,民事訴訟の証拠調べの期日において,証人として宣誓の上,原告乙及び被告丙双方の同意の下,虚偽の陳述をした。
「平成21年 短答式試験 刑事系科目」(法務省)(https://www.moj.go.jp/content/000006453.pdf)をもとに作成