司法試験短答式試験過去問題一問一答

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平成20年 刑事系科目

第34問 (配点: 3)


次のアからエまでの【方法】は,検察官が,共犯者として併合審理を受けている甲及び乙の関係で,目撃者Wの検察官に対する供述調書の証拠調べを請求したのに対し,甲の弁護人はその供述調書を証拠とすることに同意したが,乙の弁護人はこれを不同意とした場合に考えられる審理の進め方である。後記【発言】は,学生AないしDが,【方法】のいずれかについて発言したものであるが,【発言】と【方法】を対応させた場合,その組合せとして最も適切なものは,後記1から5までのうちどれか。

【方法】

ア. 弁論を分離し,甲,乙の審理を別個に進行させることとし,甲の審理で供述調書を採用決定して取り調べ,後日,乙の審理で証人Wを尋問する方法

イ. 併合審理のまま,まず,甲の関係では,供述調書を採用決定して取り調べ,次に,乙の関係では,証人Wを尋問する方法

ウ. 併合審理のまま,甲の関係では,供述調書の採用決定はするが,その証拠調べは,乙の関係での証人Wの尋問終了後に行う方法

エ. 併合審理のまま,甲の関係では,供述調書の採用決定を留保した上で,甲及び乙の関係で証人Wを尋問し,その結果,証言内容が供述調書と同じ内容である場合には,甲の関係では,検察官に供述調書の証拠調べ請求の撤回を勧告するか,その請求を却下し,証言内容が供述調書と相反する内容である場合には,甲の関係では,刑事訴訟法第326条第1項により供述調書を採用決定して取り調べ,乙の関係では,同法第321条第1項第2号後段の適用の可否を検討する方法

【発言】

学生A. この方法は,裁判官が先に伝聞証拠で心証を形成してしまうのではないかという不安に配慮している上,何を証拠とするかについて当事者の意向を反映させることができるが,同一手続内における事実認定の合一的確定の要請に反するおそれがある。

学生B. この方法は,裁判官が先に伝聞証拠で心証を形成してしまうのではないかという不安が残るという問題に加え,同一手続内における事実認定の合一的確定の要請に反するおそれもあるが,何を証拠とするかについて当事者の意向を反映させることができる。

学生C. この方法は,同一手続内で二つの事実認定が不整合になるという問題は回避できるものの,引き続き同一の裁判官による審理がなされるという運用であれば,先に伝聞証拠で心証を形成してしまうのではないかという不安は解消されない。

学生D. この方法は,一方の被告人からみれば,供述調書の内容より証言の方が有利になるとは限らないという点に対する配慮が足りない。

1. 学生Aア 学生Bウ 学生Cイ 学生Dエ
2. 学生Aイ 学生Bエ 学生Cア 学生Dウ
3. 学生Aウ 学生Bイ 学生Cア 学生Dエ
4. 学生Aエ 学生Bア 学生Cウ 学生Dイ
5. 学生Aエ 学生Bウ 学生Cイ 学生Dア

「平成20年 短答式試験 刑事系科目」(法務省)(https://www.moj.go.jp/content/000006413.pdf)をもとに作成

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