司法試験短答式試験過去問題一問一答

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平成20年 刑事系科目

第10問 (配点: 3)


次のアからオまでの各記述を判例の立場に従って検討した場合,正しいものの組合せは,後記1から5までのうちどれか。

ア. 甲は,乙所有の自動車に放火してこれを焼損し,公共の危険を発生させた。甲には同自動車を焼損する意思しかなく,付近の建造物に延焼させる意思はなかったが,乙が住居として使用する乙所有の木造家屋に火が燃え移って同家屋が全焼した。この場合,甲には延焼罪が成立する。

イ. 甲は,乙が住居として使用する乙所有の木造家屋に延焼させる意思で,同家屋に隣接し,だれも住居として使用せず,だれも現在しない丙所有の家屋に放火してこれを全焼させたが,上記乙所有の家屋には燃え移らなかった。この場合,甲には現住建造物等放火未遂罪が成立する。

ウ. 甲は,甲がその家族と共に住居として使用する甲所有の木造家屋に放火して半焼させたが,隣家に燃え移る危険は発生しなかった。この場合,甲には現住建造物等放火罪が成立する。

エ. 甲は,乙所有の自動車に放火してこれを焼損させたが,公共の危険は発生しなかった。この場合,甲には建造物等以外放火罪が成立する。

オ. 甲は,多数人が住居として使用する乙所有の集合住宅一棟を全焼させる意思で,同住宅のうち,だれも現在しない空き部屋に放火した。他の住居部分に燃え移る可能性はあったが,甲が放火した空き部屋の床及び天井の大部分が燃焼した時点で消火されたため,他の住居部分は燃焼しなかった。この場合,甲には現住建造物等放火未遂罪が成立するにとどまる。

1. ア イ
2. ア オ
3. イ ウ
4. ウ エ
5. エ オ

「平成20年 短答式試験 刑事系科目」(法務省)(https://www.moj.go.jp/content/000006413.pdf)をもとに作成

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