甲の罪責についての次の1から5までの各記述を判例の立場に従って検討し,正しい場合には1を,誤っている場合には2を選びなさい。
3. 甲は,外国籍の女性乙に長期滞在資格を取得させるため婚姻を偽装しようと考え,甲を夫とし乙を妻として婚姻する旨の内容虚偽の婚姻届を作成し,情を知らない市役所の係員に提出した。同係員は,同婚姻届を受理し,甲の戸籍の原本として用いられる電磁的記録に甲と乙が婚姻した旨の記録をし,これを同市役所の事務処理に用いられる状態においた。甲は,公務員に対し虚偽の申立てをして,権利義務に関する公正証書の原本として用いられる電磁的記録に不実の記録をさせ,原本としての用に供したのであるから,甲には電磁的公正証書原本不実記録罪,同供用罪が成立する。
「平成20年 短答式試験 刑事系科目」(法務省)(https://www.moj.go.jp/content/000006413.pdf)をもとに作成