司法試験短答式試験過去問題一問一答

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平成20年 刑事系科目

第7問 (配点: 2)


次のアからオまでの各記述を判例の立場に従って検討した場合,正しいものの組合せは,後記1から5までのうちどれか。

ア. 甲は,乙が所有する木造家屋に乙が現在しているものと思って,同家屋に放火し,これを全焼させたが,実際には同家屋はだれも現在していない空き家であった。この場合,甲には現住建造物等放火罪が成立するが,その刑は非現住建造物等放火罪の刑による。

イ. 甲は,男性の乙が,酩酊して暴れ回る女性の丙を取り押さえているのを目撃し,乙が丙に対し無理矢理わいせつ行為に及ぼうとしているものと誤信し,丙を助けるため,乙の腹部をゴルフクラブで数回強く殴打するなどの暴行を加えて重傷を負わせた。甲の暴行の程度が,甲が認識した急迫不正の侵害に対する防衛行為としての相当性を超えていた場合,甲には傷害罪は成立しない。

ウ. 甲は,乙に対する殺意をもって,乙の背後からけん銃を発射したところ,乙は赤ん坊の丙を抱いており,銃弾が乙の身体を貫通した後,丙にも命中して,乙及び丙の両名を死亡させた。甲が,乙に抱かれている丙の存在を認識していなかった場合でも,甲には乙及び丙に対する殺人罪が成立する。

エ. 甲は,公務員乙がその法令上の職務Aを執行するに当たり,乙が執行している職務がそれとは別の法令上の乙の職務Bであると誤信して乙の顔面を手拳で殴る暴行を加えた。乙の執行する職務が職務Bでなく職務Aであると分かっていれば,甲は上記暴行には及ばなかったという事情があった場合でも,甲には公務執行妨害罪が成立する。

オ. 甲は,客観的にはわいせつな文書を,その意味内容は理解したものの,その程度の性的描写であれば刑法上の「わいせつな文書」には該当しないと判断し,同文書を販売した。この場合,甲にはわいせつ文書販売罪は成立しない。

1. ア イ
2. ア オ
3. イ エ
4. ウ エ
5. ウ オ

「平成20年 短答式試験 刑事系科目」(法務省)(https://www.moj.go.jp/content/000006413.pdf)をもとに作成

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