司法試験短答式試験過去問題一問一答

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平成20年 刑事系科目

第5問 (配点: 3)


次の【事例】に関する後記アからオまでの各【記述】を判例の立場に従って検討した場合,正しいものの組合せは,後記1から5までのうちどれか。

【事例】

甲と乙が,丙に対して同時に1発ずつけん銃を発射し,そのうち1発は丙の頭部をかすめたものの命中せず,もう1発が丙の頭部に命中し,それにより丙は死亡した。丙の頭部に命中した銃弾が甲乙いずれのけん銃から発射されたものであるかは判明しなかった。

【記述】

ア. 甲と乙が,共同して丙を殺害する意思をもってけん銃を発射した場合,甲及び乙には殺人既遂罪の共同正犯は成立せず,殺人未遂罪の共同正犯が成立する。

イ. 甲は,乙がけん銃を発射することを知り,乙と共同して丙を殺害する意思で自らもけん銃を発射したが,乙は,甲がけん銃を発射することも丙を殺害しようとしていることも知らないまま,自分一人で丙を殺害する意思をもってけん銃を発射した場合,甲には殺人罪の共同正犯が成立し,乙には殺人未遂罪の単独犯が成立する。

ウ. 甲と乙は,互いに何ら意思の連絡なく,それぞれ丙を殺害する意思をもってけん銃を発射した場合,甲乙にはそれぞれ殺人未遂罪の単独犯が成立する。

エ. 甲は,丙を殺害する意思をもって,乙に対し,「あれはマネキン人形だ。一緒に射撃しよう。」とうそを言ったところ,乙はこれを鵜呑みにしてよく確認もせず丙をマネキン人形と誤信し,甲と共にけん銃を発射した場合,甲には殺人罪の単独犯が成立し,乙には重過失致死罪の単独犯が成立する。

オ. 甲と乙が,共同して丙に傷害を負わせる意思をもってけん銃を発射した場合,甲及び乙には傷害致死罪の共同正犯が成立する。

1. ア エ
2. ア オ
3. イ ウ
4. イ エ
5. ウ オ

「平成20年 短答式試験 刑事系科目」(法務省)(https://www.moj.go.jp/content/000006413.pdf)をもとに作成

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