正当防衛(刑法第36条第1項)の成立要件に関する次のアからオまでの各記述を判例の立場に従って検討した場合,正しいものの組合せは,後記1から5までのうちどれか。
ア. 正当防衛は,不正の侵害に対して成立するから,正当防衛行為に対する正当防衛は成立し得ない。
イ. 正当防衛は,急迫の侵害に対して成立するから,反撃行為を行った者が侵害を予期していた場合には正当防衛は成立し得ない。
ウ. やむを得ずにした行為として正当防衛が成立するには,防衛行為が侵害に対する防衛手段として相当性を有するものであることを要するから,防衛行為によって生じた害が避けようとした害の程度を超えた場合には正当防衛は成立し得ない。
エ. 正当防衛は,不正の侵害に対して成立するから,加害者の過失行為に対しては正当防衛は成立し得ない。
オ. 急迫不正の侵害がないのにあると誤信して,防衛の意思で反撃行為を行った場合には正当防衛は成立し得ない。
1. ア イ
2. ア オ
3. イ ウ
4. ウ エ
5. エ オ
「平成20年 短答式試験 刑事系科目」(法務省)(https://www.moj.go.jp/content/000006413.pdf)をもとに作成