次の1から5までの各記述のうち,正しいものはどれか。
1. 甲は,自己が経営する書店においてわいせつ図画である写真誌を販売するに当たり,当該写真誌をビニールで包装して,わいせつ性のない表紙だけが閲覧できるようにして陳列していた。この場合,甲には,わいせつ図画販売目的所持罪は成立しない。
2. 甲は,人通りの多い道路上で,自己の陰部を露出させたが,偶然にも,通行人はだれもそれに気付かなかった。この場合,甲には,公然わいせつ罪は成立しない。
3. 書籍の通信販売業を営んでいた甲は,日本語で書かれたわいせつ文書である小説を,外国語で書かれているかのように装って複数の外国人に販売したが,これを購入した顧客はいずれも日本語の読解能力に乏しかったため,その小説の内容を理解することができなかった。この場合,甲には,わいせつ文書販売罪は成立しない。
4. 甲は,友人の乙が誕生日を迎えることを知り,わいせつ図画であるDVD1枚を購入した上,これをお祝いとして乙にプレゼントした。この場合,甲には,わいせつ図画頒布罪は成立しない。
5. 甲は,公園内において,多くの人が見ている前で,乙に対し,その衣服全部をはぎ取るなどして強いてわいせつな行為をした。この場合,甲には,強制わいせつ罪が成立するが,公然わいせつ罪は成立しない。
「平成20年 短答式試験 刑事系科目」(法務省)(https://www.moj.go.jp/content/000006413.pdf)をもとに作成