次の【事例】について,後記AからCまでの各【見解】を採って,甲の行為と乙の死亡の間に因果関係があるかどうかを検討した場合,因果関係を認める【見解】として正しいものは,後記1から5までのうちどれか。
【事例】
甲が乙に対して激しい暴行を加え,そのまま放置すれば1日後には死亡するような脳内出血の傷害を負わせ,その場を立ち去った。その直後に,乙は通行人に発見され,救急車で病院に搬送されることとなったが,その途中で救急車が大型トラックと衝突し,乙は,この事故により1時間後に内臓破裂のため死亡した。
【見解】
A. 予測不可能な介在事情によって死期が早められなかったと認められるときに限り,実行行為と死亡の結果との間に因果関係が認められる。
B. 予測不可能な介在事情によって死期が早められたとしても,被害者の死因が,実行行為により形成された傷害によって死亡したであろう場合の死因と同一であるときには,実行行為と死亡の結果との間に因果関係が認められる。
C. 予測不可能な介在事情によって死期が早められたとしても,実行行為と死亡の結果との間に条件関係があるときには,実行行為と死亡の結果との間に因果関係が認められる。
1. A B C
2. A B
3. B C
4. A
5. C
「平成20年 短答式試験 刑事系科目」(法務省)(https://www.moj.go.jp/content/000006413.pdf)をもとに作成