Xは,甲土地上に設置されているブロック塀の一部が突然倒壊して頭部に当たり負傷したことから,甲土地を占有するY又は甲土地を所有するZのいずれかが,Xに生じた損害を賠償すべきであるとして,Y及びZを共同被告として訴えを提起し,同時審判の申出をした。
この訴訟に関する次の1から5までの各記述のうち,誤っているものはどれか。
1. Zは,Yが甲土地を占有しているとして,YZ間で締結された賃貸借契約に係る賃貸借契約書を書証として提出した。この場合,裁判所は,XのYに対する請求の関係で当該賃貸借契約書を証拠として利用することができる。
2. Yは,甲土地のブロック塀の一部が倒壊し,Xに当たったとのXの主張事実を認めた。この場合,Yの自白は,Zを拘束しない。
3. Xは,Yに対する訴えのみを取り下げることができない。
4. 裁判所が,Yに対する請求を棄却し,Zに対する請求を認容する1個の判決をした場合において,Zのみが控訴したときは,この判決中,XのYに対する請求を棄却した部分は確定する。
5. 裁判所が,Yに対する請求を棄却し,Zに対する請求を認容する1個の判決をした場合において,X及びZが控訴したところ,各控訴事件が同一の裁判所に係属したときは,両事件の弁論及び裁判は,併合して行わなければならない。
「平成20年 短答式試験 民事系科目」(法務省)(https://www.moj.go.jp/content/000006412.pdf)をもとに作成