司法試験短答式試験過去問題一問一答

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平成19年 刑事系科目

第14問 (配点: 3)


次のアからエまでの各事例の甲の罪責について,判例の立場に従って検討し,それぞれaないしcから正しいものを選んだ場合,その組合せとして正しいものは,後記1から5までのうちどれか。

ア. 甲は,乙の経営する商店において偽造の1万円札を使用しようと考え,同店において,情を知らない乙に対し,価格1万円の商品の購入を申し込み,代金として偽造の1万円札を渡して同商品を得た。

a. 詐欺罪と偽造通貨行使罪が成立し,両罪は観念的競合となる。
b. 詐欺罪が成立し,偽造通貨行使罪は詐欺罪に吸収される。
c. 偽造通貨行使罪が成立し,詐欺罪は偽造通貨行使罪に吸収される。

 

イ. 甲は,自動車を運転中,前方不注視の過失により,同車を歩行者乙に衝突させ,乙に傷害を負わせたが,路上に転倒している乙を見て,自己の犯行の発覚を防ぐため乙を殺害しようと考え,同人を同車両で轢過し,死亡させた。

a. 業務上過失傷害罪と殺人罪が成立し,両罪は併合罪となる。
b. 業務上過失傷害罪と殺人罪との包括一罪となる。
c. 業務上過失致死罪が成立する。

 

ウ. 甲は,制服の警察官乙から職務質問を受けたが,質問されたことを不愉快に感じ,乙の顔面を手拳で殴打して傷害を負わせた。

a. 公務執行妨害罪と傷害罪が成立し,両罪は牽連犯になる。
b. 公務執行妨害罪と傷害罪が成立し,両罪は観念的競合になる。
c. 公務執行妨害罪と傷害罪が成立し,両罪は併合罪になる。

 

エ. 甲は,殺意をもって,女性乙の頸部をひもで絞めながら強姦し,同女を死亡させた。

a. 強姦致死罪と殺人罪が成立し,両罪は観念的競合となる。
b. 強姦致死罪のみが成立する。
c. 強姦罪と殺人罪が成立し,両罪は観念的競合となる。

1. アa イb ウc エa
2. アb イb ウa エc
3. アb イc ウa エb
4. アc イa ウb エa
5. アc イa ウb エc

「平成19年 短答式試験 刑事系科目」(法務省)(https://www.moj.go.jp/content/000006373.pdf)をもとに作成

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