司法試験短答式試験過去問題一問一答

利用規約プライバシーポリシーご意見・お問い合わせランダム一問一答

平成19年 刑事系科目

第4問 (配点: 2)


刑法上の過失に関する次の1から5までの各記述のうち,正しいものはどれか。

1. 行為者が構成要件的結果発生の認容を欠く場合を認識のない過失といい,その認容がある場合を認識のある過失という。

2. 業務上過失傷害罪について通常の過失傷害罪より重い法定刑が定められているのは,業務上の過失が通常の過失より重大な結果を引き起こすことが多いためであるから,生じた結果が軽微な場合は業務上過失傷害罪は成立せず,過失傷害罪が成立し得るにとどまる。

3. 重過失とは,注意義務違反の程度が著しい場合をいい,行為者としてわずかな注意を用いることによって結果を予見でき,かつ,結果の発生を回避することができる場合の過失をいう。

4. 被害者が不適切な行動に出ないことを信頼するに足る事情があり,その被害者の不適切な行動によって結果が発生した場合は,過失相殺が適用されるから,行為者の注意義務違反の程度が著しい場合であっても重過失が認められることはない。

5. 構成要件的結果を惹起させた直接行為者について,これを監督すべき立場にある監督者の過失を,監督過失という。監督過失を認めるには,直接行為者に構成要件的結果発生の予見可能性があれば足り,監督者にはその予見可能性は必要とされていない。

「平成19年 短答式試験 刑事系科目」(法務省)(https://www.moj.go.jp/content/000006373.pdf)をもとに作成

平成19年 刑事系科目 第4問 (配点: 2) | 司法試験短答式試験過去問題一問一答
このエントリーをはてなブックマークに追加
4 / 58