取得時効に関する次の1から5までの各記述のうち,判例の趣旨に照らし正しいものはどれか。
1. 他人の物を占有することが取得時効の要件であるので,所有権に基づいて不動産を占有していた場合には,取得時効は成立しない。
2. 取得時効が成立するためには,占有が時効期間中継続していることが必要であり,侵奪行為によって目的物の占有が失われた場合には,その後,占有回収の訴えによってその占有を回復しても,取得時効は中断する。
3. 占有者がその占有開始時に目的物について他人の物であることを知らず,かつ,そのことについて過失がなくても,その後,占有継続中に他人の物であることを知った場合には,悪意の占有者として時効期間が計算される。
4. 所有権以外の財産権についても時効取得は可能であるが,財産権のうち債権に関しては占有を観念できないので,時効取得することはない。
5. A所有の不動産についてBの取得時効が完成した後,AからCに譲渡がなされCが対抗要件を備えたとしても,Bは,その後も引き続き当該不動産の占有を継続し,時効取得に必要な期間が経過すれば,新たに当該不動産を時効取得できる。
「平成19年 短答式試験 民事系科目」(法務省)(https://www.moj.go.jp/content/000006372.pdf)をもとに作成