双方代理又は利益相反行為に関する次の1から5までの各記述のうち,判例の趣旨に照らし誤っているものはどれか。
1. 不動産の売買契約に基づく所有権移転登記申請手続について,司法書士が売主及び買主の双方を代理することは,双方代理の禁止に関する規定に違反しない。
2. 共同相続人の一人が他の共同相続人の全部又は一部の者の後見をしている場合,後見人が被後見人全員を代理してする相続の放棄は,後見人自らが相続の放棄をした後にされたときは,後見人と被後見人との間において利益相反行為に当たらない。
3. 親権者が未成年の子を代理して子の所有する不動産を第三者の債務の担保に供する行為は,親権者による利益相反行為に当たる。
4. 未成年の子と親権者である父母の一方に利益相反関係があるときは,利益相反関係のない親権者と家庭裁判所で選任された特別代理人とが共同して子のための代理行為をなすべきである。
5. 親権者が共同相続人である数人の子を代理して遺産分割の協議をすることは,仮に親権者において数人の子のいずれに対しても衡平を欠く意図がなく,親権者の代理行為の結果,数人の子の間に利害対立が現実化されていなかったとしても,利益相反行為に当たる。
「平成19年 短答式試験 民事系科目」(法務省)(https://www.moj.go.jp/content/000006372.pdf)をもとに作成