学生AとBは,侮辱罪と名誉毀損罪について,次のとおり会話している。【発言】中の( )内から適切な語句を選んだ場合,その組合せとして正しいものは,後記1から5までのうちどれか。
【発言】
学生A. 私は,侮辱罪の保護法益は,①(a. 外部的名誉・b. 名誉感情)であると解し,名誉毀損罪の保護法益と②(c. 同じである・d. 異なる)と考える。
学生B. 反対である。私は,侮辱罪の保護法益は,③(e. 外部的名誉・f. 名誉感情)であると解する。私のように考えて初めて名誉毀損罪と侮辱罪の法定刑に著しい差があることの説明が可能になると思う。
学生A. いや,その点は,私の見解でも,④(g. 公然性・h. 事実の摘示)の有無の違いという説明が可能である。Bさんの見解では,侮辱罪の成立に,⑤(i. 公然性・j. 事実の摘示)が要件とされていることを説明できないと思う。
学生B. いや,侮辱罪は,(③)を侵害した場合で(⑤)がある場合にのみ処罰する趣旨であるという説明が可能である。
学生A. しかし,Bさんの見解を徹底すると,保護法益である(③)を明らかに侵害するような⑥(k. 面前での侮辱行為・l. 公の場所での侮辱行為)でも,侮辱罪の成立が否定されることになり,妥当ではないと思う。保護法益に関するBさんの考え方には疑問がある。
学生B. 保護法益に関する考え方の違いは,法人に対する侮辱罪の成否に影響することになるね。
学生A. そのとおりだ。Bさんと異なり,私は,法人に対して侮辱罪が⑦(m. 成立する・n. 成立しない)と考える。この考え方は,最高裁判所の判例の見解と⑧(o. 同じである・p. 異なる)。
1. ①b④g⑦n
2. ①a⑤i⑧o
3. ②c⑥l⑧p
4. ③e④h⑥k
5. ③f⑤j⑦m
「平成18年 短答式試験 刑事系科目」(法務省)(https://www.moj.go.jp/content/000006519.pdf)をもとに作成