次のアからオまでの各事例の甲の罪責について,判例の立場に従って( )内から適切な語句を選んだ場合,その組合せとして正しいものは,後記1から5までのうちどれか。
ア. 甲は,乙から金員を恐喝しようと企て,乙に暴行を加えて監禁し,暴行により畏怖している乙を脅迫して金員を交付させた。甲には,監禁罪と恐喝罪が成立し,(a. 両罪は牽連犯である・b. 両罪は併合罪である)。
イ. 甲は,無免許で普通乗用自動車を運転中,前方不注視の過失により歩行者乙に傷害を負わせる事故を起こした。甲には,道路交通法の無免許運転の罪と業務上過失傷害罪が成立し,(c. 両罪は併合罪である・d. 両罪は観念的競合である)。
ウ. 甲は,乙の住居に放火してその建物を全焼させたが,さらに,隣接する丙の住居にも燃え移らせてその建物を半焼させた。甲には,(e. 2個の現住建造物等放火罪が成立し,両罪は併合罪である・f. 1個の現住建造物等放火罪が成立する)。
エ. 甲は,通り掛かった乙と丙のうちの乙と肩が触れたことから口論になり,憤激のあまり,その腹部を足で蹴った。この様子を見た丙が文句を言ったので,甲は丙にも憤激し,その顔面をこぶしで殴って傷害を負わせた。甲には,乙に対する暴行罪と丙に対する傷害罪が成立し,(g. 両罪は併合罪である・h. 両罪は包括一罪である)。
オ. 甲は,一緒にいた乙と丙を同時に殺害する目的で,両名に向けて爆弾1個を投げ付けて爆発させ,両名を死亡させた。甲には,乙に対する殺人罪と丙に対する同罪が成立し,(i. 両罪は観念的競合である・j. 両罪は併合罪である)。
1. acfhi
2. adfgj
3. bcegi
4. bcfgi
5. bdehj
「平成18年 短答式試験 刑事系科目」(法務省)(https://www.moj.go.jp/content/000006519.pdf)をもとに作成