司法試験短答式試験過去問題一問一答

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平成18年 刑事系科目

第4問 (配点: 3)


次の【記述】中のアないしウの《 》内に後記の【見解】ⅠないしⅢから適切なものを,また,同【記述】中の①から⑤までの( )内に後記の【語句群】から適切な語句を,それぞれ入れた場合,《 》及び( )内に入るものの組合せとして正しいものは,後記1から5までのうちどれか。

【記述】

「刑法第65条第1項及び第2項の解釈について,共犯の従属性を徹底する立場から,《ア》があるが,これに対しては,(①)という批判がある。また『違法の連帯性,責任の個別性』という原則を強調する立場から,《イ》があるが,これに対しては,(②)という批判がある。さらに,法文の文理に忠実に解釈をする立場から,《ウ》があり,これが判例の考え方であるが,これに対しては,(③)という批判がある。『賭博の非常習者である甲が,常習者である乙と共同して賭博を実行した。』という事例の甲の罪責を検討すると,《ウ》からは,(④)という結論になるのに対し,《ア》からは,(⑤)という結論になる。《イ》からは,常習賭博罪という身分犯の性格をどのように考えるかによって結論が変わることになる。」

【見解】

Ⅰ. 「同条第1項は真正身分犯についての規定であり,同条第2項は不真正身分犯についての規定である。」とする見解

Ⅱ. 「同条第1項は身分が違法性に関係する場合についての規定であり 同条第2項は身分が責任に関係する場合についての規定である。」とする見解

Ⅲ. 「同条第1項は真正身分犯・不真正身分犯を通じて共犯の成立についての規定であり,同条第2項は不真正身分犯の科刑についての規定である。」とする見解

【語句群】

a. 違法身分と責任身分を区別することは困難であり,また,違法身分と責任身分が混合している身分犯もある

b. 真正身分犯が身分を連帯的に作用させ,不真正身分犯が身分を個別的に作用させることの実質的根拠を明らかにしていない

c. 犯罪の成立と科刑が分離されることになる

d. 単純賭博罪の共同正犯が成立し,科刑も単純賭博罪の刑による

e. 常習賭博罪の共同正犯が成立し,科刑も常習賭博罪の刑による

f. 常習賭博罪の共同正犯が成立し,科刑は単純賭博罪の刑による

1. アⅠ-②c⑤d
2. アⅢ-①c④e
3. イⅡ-①b⑤f
4. イⅢ-③b④f
5. ウⅠ-②a④d

(参照条文)刑法
第65条 犯人の身分によって構成すべき犯罪行為に加功したときは,身分のない者であっても,共犯とする。
2 身分によって特に刑の軽重があるときは,身分のない者には通常の刑を科する。

「平成18年 短答式試験 刑事系科目」(法務省)(https://www.moj.go.jp/content/000006519.pdf)をもとに作成

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