殺人罪と自殺関与罪に関する次の【記述】中の①から④までの( )内に,後記の【語句群】から適切な語句を入れた場合,( )内に入るものの組合せとして正しいものは,後記1から5までのうちどれか。なお,一つの( )内に二つ以上の語句が入る場合もある。
【記述】
「(①)では,被害者に当該行為によって自らが死亡することの認識がないことから,自殺関与罪ではなく,殺人罪が成立する。(②)では,被害者に当該行為によって自らが死亡することの認識はあるものの,当該行為を行う意思決定過程に重大な瑕疵があることから,同様に,自殺関与罪ではなく,殺人罪が成立すると解することができる。ただし,そのうち(③)では,意思決定過程に瑕疵があるとはいえ,被害者が(④)ことから,殺人罪ではなく,自殺関与罪が成立すると解する見解がある。」
【語句群】
A. 心中を望む被害者に対し,追死する意思がないにもかかわらず,これあるように装って欺き,追死するものと誤信させて死を決意させ,被害者自身をして毒薬を服用させ死亡させた事例
B. 詐言を用いて被害者を欺き,一時仮死状態に陥っても薬品を用いれば再び蘇生できるものと誤信させ,被害者自身に首をつらせて死亡させた事例
C. 強度の暴行を受けて肉体的にも精神的にも疲弊した状態にある被害者を脅迫して,高さ50メートルの崖の上まで追い込み,更に暴行を加える態度を示して,逃げ場を失った被害者自身に崖から飛び降りさせて死亡させた事例
D. 被害者が通常の意思能力を欠き自殺の何であるかを理解せず,しかも命令には何でも服従するのを利用して,被害者自身に首をつらせて死亡させた事例
E. 死を強制されている
F. 自ら死を望んでいる
1. ①D ②A,B,C ③C ④E
2. ①D ②A,B,C ③A ④F
3. ①B,D ②A,C ③A ④E
4. ①B,D ②A,C ③C ④E
5. ①B,D ②A,C ③A ④F
「平成18年 短答式試験 刑事系科目」(法務省)(https://www.moj.go.jp/content/000006519.pdf)をもとに作成