司法試験短答式試験過去問題一問一答

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平成18年 刑事系科目

第2問 (配点: 2)


刑法第37条第1項の緊急避難の法的性格について,学生AとBは,違法性阻却事由説と責任阻却事由説のいずれか異なる見解を採り,「緊急避難に当たる行為に対して正当防衛が成立し得るか。」という問題について議論したところ,学生Aは「緊急避難は成立し得るが,正当防衛は成立し得ない。」との結論になり,学生Bは「正当防衛が成立し得る。」との結論になった。学生Aが採る見解に関する記述として正しいものは,次の1から5までのうちどれか。

1. 制限従属性説を前提として,この見解を採って検討すると,正犯と従犯の関係で,正犯が緊急避難に当たる行為をした場合,正犯の幇助をした者は不可罰となる。

2. この見解は,違法性阻却の実質的理由を優越的利益の保護に求める考え方と矛盾する。

3. この見解によれば,刑法上の緊急避難に当たる行為は,民法上も損害賠償責任を問われることはない。

4. 法益の権衡が緊急避難の要件とされていることは,この見解の根拠となり得ない。

5. この見解に対しては,学生Bが採る見解から「無関係な他人のためにする緊急避難が認められていることを説明できない。」との批判がある。

「平成18年 短答式試験 刑事系科目」(法務省)(https://www.moj.go.jp/content/000006519.pdf)をもとに作成

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