司法試験短答式試験過去問題一問一答

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令和5年 刑法

第13問 (配点: 2)


学生A及びBは、次の【事例】における甲の罪責について、後記【会話】のとおり議論している。【会話】中の①から⑥までの( )内に後記【語句群】から適切な語句を入れた場合、正しいものの組合せは、後記1から5までのうちどれか。なお、①から⑥までの( )内にはそれぞれ異なる語句が入る。

【事例】

甲は、自らを溺愛していた交際中のVに対し、実際には追死する意思がないのに追死すると欺き、Vに、甲が追死するものと誤信させ、死ぬことを承諾させた。その上で、甲は、下記のⅠ又はⅡの行為に及んだ。

Ⅰ.Vの承諾を得てVの頸部を両手で絞め、Vを窒息死させた。
Ⅱ.Vの承諾を得てVに致死量の毒物を渡し、その毒物を服用させて、Vを中毒死させた。

【会話】

学生A.まず、Ⅰの事例について考えましょう。Vは(①)といえるので、甲が追死することを誤信していたとしても、Vの生命を放棄する意思は有効であり、甲に(②)は成立せず、(③)が成立すると考えます。

学生B.私としては、Vは(④)といえるので、Vの生命を放棄する意思は無効であり、甲に(②)が成立すると考えます。

学生A.Ⅱの事例において、甲に(②)が成立するかについては、BさんのようにVの生命を放棄する意思は無効であると考えるとしても、甲に(⑤)が成立するかを更に検討する必要がありますよね。

学生B.Vは(⑥)といえるので、甲に(②)が成立すると考えます。

【語句群】

ア.甲に自己の行為を支配されていない
イ.自己が死亡すること自体は認識し、これを承諾していた
ウ.甲の言葉を信じ込み、甲の意思どおりに行動した
エ.真意に沿わない重大な瑕疵ある意思に基づいて死を決意した
オ.殺人罪
カ.刑法第202条の罪
キ.間接正犯
ク.共同正犯

1.①ア ②オ ③カ ④イ ⑤キ ⑥ウ
2.①ア ②カ ③オ ④ウ ⑤ク ⑥イ
3.①ア ②カ ③オ ④エ ⑤ク ⑥ウ
4.①イ ②オ ③カ ④ア ⑤キ ⑥エ
5.①イ ②オ ③カ ④エ ⑤キ ⑥ウ

(参照条文)刑法
第202条 人を教唆し若しくは幇助して自殺させ、又は人をその嘱託を受け若しくはその承諾を得て殺した者は、6月以上7年以下の懲役又は禁錮に処する。

「令和5年 短答式試験 刑法」(法務省)(https://www.moj.go.jp/content/001400112.pdf)をもとに作成

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