司法試験短答式試験過去問題一問一答

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令和3年 刑法

第8問 (配点: 2)


学生A,B及びCは,次の【会話】のとおり議論している。【会話】中の①から⑥までの( )内に後記【語句群】から適切な語句を入れた場合,正しいものの組合せは,後記1から5までのうちどれか。なお,①から⑥までの( )内にはそれぞれ異なる語句が入る。

【会話】

学生A.私は,公務も公務員としての個人の社会的活動であり,その性質に関わりなく業務妨害罪によって保護されるべきなので,(①)と考えます。

学生B.私は,国家的法益と個人的法益では罪質が違うので,(②)と考えます。

学生C.B君の見解では,(③)ような威力による非権力的公務に対する妨害のときに業務妨害罪が成立せず,非権力的公務の保護が不十分との批判がありますね。このような批判を踏まえて,私は,(④)と考えます。

学生A.C君の見解によると,(⑤)ような暴行による非権力的公務に対する妨害については,いかなる犯罪が成立するのでしょうか。

学生C.その場合には,業務妨害罪と公務執行妨害罪が成立すると考えます。

学生B.C君の見解に対しては,(⑥)との批判がありますね。

【語句群】

a.全ての公務が業務妨害罪の対象となる
b.強制力を行使する権力的公務以外の公務に限って業務妨害罪の対象となる
c.公務は一切業務妨害罪の対象とならない
d.威力による非権力的公務に対する妨害のときに処罰の間隙が生じてしまう
e.逮捕行為や強制執行のように,自力で抵抗を排除し得る機能を付与されている場合まで威力に対する保護を認めることになる
f.公務は公共の福祉を目的とするので,民間の業務より厚く保護されるべきである
g.公務に限って二重に保護する必要はない
h.市役所の窓口業務を大声を上げて妨害した
i.警察官による適法な捜索差押えの際,多数名で怒号しながら入口を塞いで警察官が捜索場所に立ち入るのを妨害した
j.公立学校の入学試験監督員である教員を拳で殴って試験会場に入るのを阻止した

1.①a ②c ③j
2.①a ④b ⑥e
3.②c ③h ④a
4.③h ⑤i ⑥g
5.④b ⑤j ⑥g

「令和3年 短答式試験 刑法」(法務省)(https://www.moj.go.jp/content/001350704.pdf)をもとに作成

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