司法試験短答式試験過去問題一問一答

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令和3年 刑法

第7問 (配点: 2)


次のアからオまでの各記述を判例の立場に従って検討した場合,誤っているものの組合せは,後記1から5までのうちどれか。

ア.甲は,情を知らない法務局の担当登記官Aに対し,虚偽の申立てをして登記簿の磁気ディスクに不実の記録をさせた後,当該記録の内容を閲覧可能な状態にした。この場合,甲には,電磁的公正証書原本不実記録罪及び同供用罪が成立し,これらは牽連犯となる。

イ.甲は,乙がA及びBをバットで順次殴打して両名を負傷させた際,これに先立ち,乙の意図を知りながら,乙にバットを手渡してそれらの犯行を幇助した。この場合,甲には,A及びBに対する2個の傷害罪の幇助犯が成立し,これらは観念的競合となる。

ウ.甲は,A名義の預金口座から現金を引き出す目的で,AからA名義のキャッシュカードをだまし取るとともに,暗証番号を聞き出し,銀行の現金自動預払機で同キャッシュカードを使用して現金を引き出した。この場合,甲には,詐欺罪及び窃盗罪が成立し,これらは牽連犯となる。

エ.甲は,強制性交の目的でA宅に侵入したが,Aが不在であったため目的を遂げられなかった。その後,甲は,居間に置かれていたA所有の腕時計を発見し,窃取しようと考えてこれを持ち去った。この場合,甲には,住居侵入罪及び窃盗罪が成立するが,これらは併合罪となる。

オ.甲は,身の代金を得る目的でAを拐取した後,甲の自宅に監禁し,その間にAの実父Bに対し,電話で身の代金を要求した。この場合,甲には,身の代金目的拐取罪,監禁罪及び拐取者身の代金要求罪が成立し,身の代金目的拐取罪と拐取者身の代金要求罪が牽連犯となり,これらの各罪と監禁罪は併合罪となる。

1.ア イ
2.ア オ
3.イ エ
4.ウ エ
5.ウ オ

「令和3年 短答式試験 刑法」(法務省)(https://www.moj.go.jp/content/001350704.pdf)をもとに作成

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