公務執行妨害罪に関する次のアからオまでの各記述を判例の立場に従って検討し,正しい場合には1を,誤っている場合には2を選びなさい。
ア.甲は,市役所の生活保護係職員乙による生活保護に関する説明に不満を抱き,同人に罵声を浴びせながら抗議するとともに,丸めたパンフレットを同人の顔面付近に2,3回突き付け,そのうち1回はパンフレットの先端が同人の顎に触れ,さらに,約2回にわたり,乙が座っている椅子を両手で持って椅子の前脚を床から持ち上げては落とすことによりその身体を揺さぶった。甲の行為は,公務執行妨害罪にいう「暴行」に当たらないので,甲に公務執行妨害罪は成立しない。
「令和2年 短答式試験 刑法」(法務省)(https://www.moj.go.jp/content/001326055.pdf)をもとに作成