司法試験短答式試験過去問題一問一答

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令和2年 刑法

第6問 (配点: 2)


次の1から5までの各記述を判例の立場に従って検討した場合,誤っているものはどれか。

1.甲は,乙から,大学の入学試験を代わりに受けてほしいと頼まれてこれを引き受け,乙に成り済まして入学試験を受け,乙名義で答案を作成して提出した。この場合,甲に有印私文書偽造罪が成立する。

2.甲は,架空請求により金銭をだまし取るために使おうと考え,実在しない「法務局民事訴訟管理センター」名義で,契約不履行による民事訴訟が提起されているので連絡をされたい旨記載されたはがきを印刷し,一般人をして実在する公務所が権限内で作成した公文書であると誤信させるに足りる程度の形式・外観を備えた文書を作成した。この場合,甲に有印公文書偽造罪が成立する。

3. 甲は,X市立病院の事務長を務める公務員であるが,同病院のために発注書を作成する権限を授与されていないのに,行使の目的で,同病院が業者Aに医療器具を発注していないにもかかわらず,それを発注した旨を記載した内容虚偽の「X市立病院事務長甲」名義の発注書を作成した。この場合,甲に虚偽有印公文書作成罪が成立する。

4.甲は,支払督促制度を悪用して乙の財産を不正に差し押さえるなどして金銭を得ようと考え,乙に対する内容虚偽の支払督促を簡易裁判所に申し立てた上,乙宛ての支払督促正本等を配達しようとした郵便配達員に対し,乙本人を装い,郵便送達報告書の「受領者の押印又は署名」欄に乙の氏名を記載して提出し,支払督促正本等を受領した。この場合,甲に有印私文書偽造罪が成立する。

5.甲は,消費者金融業者に提出する目的で,公文書である乙の国民健康保険被保険者証の氏名欄に自己の氏名が印刷された紙を貼り付けた上で,複写機を使用してこれをコピーし,一般人をして甲の国民健康保険被保険者証の真正なコピーであると誤信させるに足りる程度の形式・外観を備えたものを作成した。この場合,甲に有印公文書偽造罪が成立する。

「令和2年 短答式試験 刑法」(法務省)(https://www.moj.go.jp/content/001326055.pdf)をもとに作成

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