司法試験短答式試験過去問題一問一答

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令和元年 刑法

第14問 (配点: 2)


学生A,B及びCは,次の各【事例】を題材にして,後記【会話】のとおり議論している。【会話】中の①から⑧までの( )内から適切な語句を選んだ場合,正しいものの組合せは,後記1から5までのうちどれか。

【事例】

Ⅰ.店員甲は,自己の担当する売場の商品を勤務時間中にこっそり持ち出して,後日転売した。

Ⅱ.店員甲は,店長乙に言われて,店の売掛金を集金したが,これを持ち逃げした。

Ⅲ.甲は,パーティーで使うために友人乙から借りたネックレスを,無断で質入れした。

Ⅳ.甲は,登記名義を有する所有者乙から自己使用を条件に借りた土地を,しばらく自己使用した後,無断で丙に賃貸して利益を得た。

【会話】

学生A.事例Ⅰにおいて,甲にはどのような財産犯が成立するだろうか。

学生B.店の商品であれば,①(a.店長・b.店員)が占有しているといえるから,②(a.横領罪・b.窃盗罪)が成立すると思う。

学生C.反対だ。占有は,③(a.店長・b.店員)にあると認めるべきだから,④(a.横領罪・b.窃盗罪)が成立すると考える。

学生B.事例Ⅱにおいて,Cさんの見解によれば,甲に(④)は成立するのか。

学生C.成立すると考える。

学生A.その結論は,事例Ⅱにおける判例の立場と一致しない。では,Cさんは,事例Ⅲにおいても,甲に(④)が成立すると考えるのか。

学生C.いや,成立しないと考える。物を人から借りている場合は別だ。

学生B.そうだとすると,Cさんは,事例Ⅳにおいて,甲には,どのような財産犯が成立すると考えるのか。

学生C.土地のような不動産の場合,動産とは異なり,その占有は,⑤(a.登記名義を有する者・b.現実に不動産を占有・使用する者)にあると認めるべきだと思うから,土地に対する占有の程度・態様が著しく変更された場合,甲には⑥(a.横領罪・b.不動産侵奪罪)が成立する可能性があると考える。

学生A.そうだろうか。⑦(a.横領罪にいう「横領」・b.不動産侵奪罪にいう「侵奪」)があったとはいえないのではないか。むしろ,Cさんの見解によれば,⑧(a.背任罪・b.横領罪)の成否を検討すべきだと思う。

1.①a ②b ③b ④a ⑤a ⑥b ⑦b ⑧a
2.①a ②b ③b ④a ⑤b ⑥a ⑦a ⑧b
3.①b ②a ③a ④b ⑤a ⑥b ⑦b ⑧a
4.①b ②a ③a ④b ⑤a ⑥b ⑦b ⑧b
5.①b ②a ③a ④b ⑤b ⑥a ⑦a ⑧b

「令和元年 短答式試験 刑法」(法務省)(https://www.moj.go.jp/content/001293665.pdf)をもとに作成

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