次の見解は,インターネット上の名誉毀損罪の成否と表現の自由について論じたものである。この見解に関する次のアからエまでの各記述について,それぞれ正しい場合には1を,誤っている場合には2を選びなさい。
「インターネットの利用者は,自己の見解を外部に向かって発信することができるから,インターネットを利用している被害者は,自己に向けられた加害者のインターネット上の表現行為に対し,言論による反論が可能である。したがって,インターネットの利用者が名誉毀損の表現行為をした場合には,新聞などのマス・メディアを通じた表現の場合よりも,名誉毀損罪の成立する範囲を限定すべきである。」
ア.この見解に対しては,インターネット上の全ての情報を知ることは不可能であり,自己の名誉を毀損する表現が存在することを知らない被害者に対して反論を要求すること自体,そもそも不可能である,という批判があり得る。
「平成30年 短答式試験 憲法」(法務省)(https://www.moj.go.jp/content/001258873.pdf)をもとに作成