司法試験短答式試験過去問題一問一答

利用規約プライバシーポリシーご意見・お問い合わせランダム一問一答

平成29年 刑法

第15問 (配点: 2)


次の1から5までの各記述を判例の立場に従って検討した場合,正しいものはどれか。

1.甲が乙に対し,深夜の公園で待ち伏せしてAから金品を喝取するように教唆したところ,乙は,その旨決意し,深夜の公園でAを待ち伏せしたが,偶然通り掛かったBをAと誤認してBから金品を喝取した。乙は,人違いに気付き,引き続きAを待ち伏せして,通り掛かったAから金品を喝取しようとしてAを脅迫したが,Aに逃げられてしまい金品を喝取することができなかった。甲にはAに対する恐喝未遂罪の教唆犯のみが成立する。

2.甲が乙に対し,Aをナイフで脅してAから金品を強取するように教唆したところ,乙は,その旨決意し,Aをナイフで脅したが,その最中に殺意を抱き,Aの腹部をナイフで刺してAに傷害を負わせ,Aから金品を強取したものの,Aを殺害するには至らなかった。甲には強盗罪の教唆犯が成立するにとどまる。

3.甲が乙に対し,留守宅であるA方に侵入して金品を窃取するように教唆したところ,乙は,その旨決意したが,B方をA方と誤認してB方に侵入し,その場にいたBから金品を強取した。甲にはB方への住居侵入罪及びBに対する窃盗罪の教唆犯が成立する。

4.甲が乙に対し,現住建造物であるA家屋に放火するように教唆したところ,乙は,その旨決意し,A家屋に延焼させる目的で,A家屋に隣接した現住建造物であるB家屋に放火したが,B家屋のみを焼損し,A家屋には燃え移らなかった。甲にはA家屋に対する現住建造物等放火未遂罪の教唆犯のみが成立する。

5.甲は,土建業者AがB市発注予定の土木工事を請け負うためB市役所土木係員乙に現金を供与しようと考えていることを知り,乙に対し,Aに工事予定価格を教える見返りとしてAから現金を受け取り,Aに工事予定価格を教えるように教唆したところ,乙は,その旨決意し,Aとの間で,Aに工事予定価格を教える旨約束して,Aから現金100万円を受け取ったが,その後,工事予定価格を教えなかった。甲には加重収賄罪の教唆犯が成立する。

「平成29年 短答式試験 刑法」(法務省)(https://www.moj.go.jp/content/001224570.pdf)をもとに作成

平成29年 刑法 第15問 (配点: 2) | 司法試験短答式試験過去問題一問一答
このエントリーをはてなブックマークに追加
26 / 36