司法試験短答式試験過去問題一問一答

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平成28年 刑法

第16問 (配点: 2)


次の1から5までの各記述を判例の立場に従って検討した場合,正しいものはどれか。

1.甲は,警察官から職務質問をされそうになったのでその場から急いで立ち去ろうと考え,たまたま路上に駐車されていた他人所有の自動車に乗り込み,適当な場所で乗り捨てるつもりで,同自動車を運転してその場から走り去った。この場合,甲には,不法領得の意思が認められ,窃盗罪が成立する。

2.甲は,タクシーの売上金を奪おうと考えて,乗客を装ってタクシーに乗り込み,行き先を指定して人気のない場所に誘導した上,同所で,乗車料金を請求してきた運転手の首元に鋭利なガラス片を突き付けて売上金を渡すよう要求したが,同運転手から抵抗されて売上金を手に入れることができず,そのままその場から立ち去った。この場合,甲には強盗未遂罪のみが成立する。

3.甲は,視力回復の効果が全くない飲料について,その効果が絶大で入手困難なものと偽って,信じた客にこれを販売し,その代金として現金の交付を受けたが,その販売価格は適正,妥当なものであった。この場合,甲には詐欺罪は成立しない。

4.甲は,乙がその同居の親族から盗んできたカメラを,盗品であると知りながら乙から購入した。この場合,乙は,窃盗罪についての刑が免除されることから,甲には盗品等有償譲受け罪は成立しない。

5.甲は,乙所有の土地について,価格が暴落すると偽って,これを信じた乙との間で,時価の半額で同土地を買い受ける旨の売買契約を締結した。この場合,その売買契約が成立したことのみをもって,甲には詐欺既遂罪が成立する。

「平成28年 短答式試験 刑法」(法務省)(https://www.moj.go.jp/content/001182605.pdf)をもとに作成

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