次の【事例】に関する後記1から5までの各記述のうち,甲に窃盗罪の従犯の成立を肯定する論拠となり得ないものはどれか。
【事例】
甲は,乙又は乙の友人が窃盗罪を犯そうとしていることを知り,その手助けのため,乙に対し,同罪の遂行に必要な道具を貸したところ,さらに,乙はその道具を友人丙に貸し,丙がこれを用いて同罪を犯した。なお,丙には同罪の正犯が成立し,乙にはその従犯が成立するものとする。
1.従犯には独立した犯罪性が認められる。
2.従犯の幇助には,教唆者を教唆した者については正犯の刑を科すとする刑法第61条第2項のような規定がない。
3.共犯は修正された構成要件に該当する行為であるところ,従犯もその構成要件においては「正犯」となる。
4.幇助は正犯を容易にすることであるという定義からすると,幇助行為が直接的になされたか,間接的になされたかは必ずしも問われない。
5.教唆犯に対する幇助行為は従犯として処罰される。
「平成28年 短答式試験 刑法」(法務省)(https://www.moj.go.jp/content/001182605.pdf)をもとに作成