生存権に関する次の見解に対する論評としてなされた次のアからウまでの各記述について,それぞれ正しい場合には1を,誤っている場合には2を選びなさい。
「憲法第25条の生存権を具体化する趣旨の法律が制定された以上,その法律は憲法第25条と一体をなし,かかる法律の定める保護基準を正当な理由なくして引き下げることは憲法上許されない。」
ア.この見解に対しては,憲法第25条第1項が禁止しているのは「健康で文化的な最低限度の生活」の水準を下回ることだけであり,保護基準の引下げによってもかかる水準を上回る場合にまで,正当な理由を必要とする根拠は同条項から導くことはできないとの批判が可能である。
「平成28年 短答式試験 憲法」(法務省)(https://www.moj.go.jp/content/001182597.pdf)をもとに作成