【以下の問題の解答に当たっては,国際物品売買契約に関する国際連合条約(ウィーン売買条約)の適用を考慮する必要はない。】
Aは,Bとの間で,Aの所有する著名な陶芸家の銘が入った絵皿(以下「甲」という。)をBに300万円で売り,代金はBがCに支払うとの合意をした。この事例に関する次のアからオまでの各記述のうち,判例の趣旨に照らし正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。
ア.AB間の売買契約の当時,Cが胎児であり,受益の意思表示をすることができなかったときは,その後Cが出生したとしてもAB間の売買契約は無効である。
イ.AB間の売買契約が締結され,Cが受益の意思表示をした後,実は甲が贋作であることが判明し,BがAの詐欺を理由に売買契約を取り消した場合,CがAの詐欺について善意無過失であるときは,Bは詐欺取消しをCに対抗することができない。
ウ.Cに対して債権を有するDは,AB間の売買契約が締結された後,Cが受益の意思表示をせず,かつ無資力である場合には,Cに代位して受益の意思表示をすることができる。
エ.AB間の売買契約が締結された後,AがBに甲を引き渡したにもかかわらず,BがCに甲の代金300万円を支払わない場合には,CはBに催告した上,AB間の売買契約を解除することができる。
オ.AB間の売買契約が,AのCに対する宝石の売買契約に基づく代金債務を弁済するために締結され,Cが受益の意思表示をした場合において,Aがその目的をBに告げていなかったときは,AC間の宝石の売買契約が無効であっても,Cは,Bに対し,甲の代金300万円の請求をすることができる。
1.ア イ
2.ア ウ
3.イ エ
4.ウ オ
5.エ オ
「平成28年 短答式試験 民法」(法務省)(https://www.moj.go.jp/content/001182604.pdf)をもとに作成