【以下の問題の解答に当たっては,国際物品売買契約に関する国際連合条約(ウィーン売買条約)の適用を考慮する必要はない。】
動産の即時取得に関する次のアからオまでの各記述のうち,判例の趣旨に照らし誤っているものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。
ア.Aがその占有する時計をBに売却した場合において,Bが,即時取得により当該時計の所有権を取得したことを主張するためには,当該時計の引渡しの当時,自己に過失がなかったことを立証しなければならない。
イ.Aがその占有する時計をBに売却した場合において,Bが,当該時計の引渡しの当時,当該時計の所有者がAであることに疑いを持っていたときは,Bは即時取得により当該時計の所有権を取得することができない。
ウ.Aがその占有する時計をBに売却した場合において,その売買契約の際に,以後AがBのために占有する意思を表示したが,当該時計の引渡しが現実にされていないときは,Bは即時取得により当該時計の所有権を取得することができない。
エ.A所有の土地上にある立木を,Bが,B所有の土地上にあるものと過失なく信じて伐採した場合には,Bは,即時取得により当該伐木の所有権を取得する。
オ.Aがその占有する中古自動車をBに売却し,現実に引き渡した場合において,当該中古自動車につき道路運送車両法による登録がされていたときは,Bは,即時取得により当該中古自動車の所有権を取得することができない。
1.ア ウ
2.ア エ
3.イ ウ
4.イ オ
5.エ オ
「平成28年 短答式試験 民法」(法務省)(https://www.moj.go.jp/content/001182604.pdf)をもとに作成