【以下の問題の解答に当たっては,国際物品売買契約に関する国際連合条約(ウィーン売買条約)の適用を考慮する必要はない。】
甲土地を所有するAには,その妻Bとの間に子C及びDがいる。この場合において,Aが死亡したときの不動産物権変動に関する次のアからオまでの各記述のうち,判例の趣旨に照らし正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。
ア.Cが相続放棄をした後に,甲土地について法定相続分に応じた持分の割合により相続登記をした上で,甲土地の4分の1の持分をEに売却し,CからEへの持分移転登記を経由した場合,Eは,B及びDに対し,甲土地について4分の1の持分の取得を主張することができる。
イ.AがEに甲土地を遺贈し,遺言により指定された遺言執行者Fがある場合において,Bが,甲土地について法定相続分に応じた持分の割合により相続登記をした上で,甲土地の2分の1の持分をGに売却し,BからGへの持分移転登記を経由したときは,Eは,Gに対し,甲土地の所有権の取得を主張することができる。
ウ.B,C及びDの遺産分割協議により,甲土地はBが取得することとされた場合であっても,その後,Dが,甲土地について法定相続分に応じた持分の割合により相続登記をした上で,甲土地の4分の1の持分をEに売却し,DからEへの持分移転登記を経由したときには,Eは,Bに対し,甲土地について4分の1の持分の取得を主張することができる。
エ.Aが「甲土地はCに相続させる」旨の遺言をしていた場合において,Bが,甲土地について法定相続分に応じた持分の割合により相続登記をした上で,甲土地の2分の1の持分をEに売却し,BからEへの持分移転登記を経由したときには,Cは,Eに対し,甲土地の所有権の取得を主張することができない。
オ.Dが甲土地を単独で相続した旨の不実の登記をした上で,甲土地をEに売却し,DからEへの所有権移転登記を経由した場合,Bは,Eに対し,甲土地について2分の1の持分の取得を主張することができない。
1.ア エ
2.ア オ
3.イ ウ
4.イ オ
5.ウ エ
「平成28年 短答式試験 民法」(法務省)(https://www.moj.go.jp/content/001182604.pdf)をもとに作成