司法試験短答式試験過去問題一問一答

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平成27年 刑法

第6問 (配点: 2)


次の1から5までの各事例における甲のVに対する罪責について,判例の立場に従って検討した場合,甲に殺人罪が成立しないものはどれか。

1.甲は,Vには自殺がどのようなものかを理解する能力がなく,しかもVが甲の命ずることには何でも服従するのを利用してVを死亡させようと考え,Vに対して,首を吊る方法を教えた上,これを実行するよう命じた。Vは,甲から命じられたとおりに,教えられた方法で自ら首を吊って窒息死した。

2.甲は,真冬の深夜,河川堤防でVに激しい暴行を加えたところ,Vは走って逃げ出した。甲は,逃げるVを堤防際まで追い詰めれば,逃げ場を失ったVが堤防から下の川に飛び込んで溺死するかもしれないがそれでも構わないと考え,Vを堤防際まで追い詰めた。逃げ場を失ったVは,甲からの暴行を免れるため,堤防から約3メートル下の川に飛び込んで溺死した。

3.甲は,Vから,包丁で腹部を突き刺して殺してほしいと依頼され,これを真意から出た依頼であると信じて包丁でVの腹部を突き刺したが,その依頼はVの冗談であって,Vの真意から出たものではなかった。Vは,甲から腹部を包丁で刺されたことにより失血死した。

4.甲は,妻と話し合って一家心中することとし,妻と5歳になる息子Vからそれぞれ一家心中することの承諾を得た上,妻とVを殺すため,同人らの腹部を包丁で刺した。妻とVは,甲から腹部を包丁で刺されたことにより失血死した。

5.甲は,Vから心中を持ち掛けられたことを利用して,Vを死亡させようと考え,自らは死ぬ気がないのに,Vとの心中を了承した。Vは,甲の真意を知っていれば死ぬことはなかったが,甲も一緒に死んでくれるものと誤信したまま,甲の目の前で,甲が用意した致死量の毒を飲んで中毒死した。

「平成27年 短答式試験 刑法」(法務省)(https://www.moj.go.jp/content/001144533.pdf)をもとに作成

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